国内初 豚のAI発情検知サービス「PIG LABO® Breeding Master」のテスト販売開始
~人手の発情確認作業を最大79%削減し、労働環境改善・生産性向上により、養豚業の活性化を支援~

日本ハム株式会社
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータSBC

日本ハム株式会社とNTTデータグループは、共同開発を進めている養豚支援システムの第一弾として、10月12日より発情検知サービス「PIG LABO®(ピッグラボ)Breeding Master(以下、本サービス)」のテスト販売を開始し、参画農場を募集します。

本サービスは、豚舎に設置した複数のカメラから、母豚の種付け適正時期を意味する発情を人工知能(AI)により検知します。これまで熟練した飼育作業員による長時間の観察が必要だった発情判定を、効率的かつ高精度に判定することが可能となり、高い生産レベルを安定的に維持することができます。本サービスを使った実証試験では受胎率が1.4%改善し、熟練した飼育作業員の受胎率を上回ることに成功しました。さらに、人による判定作業が79%削減できるなど、労務削減効果も確認されています。

両社は今回のテスト販売を通して、本サービスの実効性の確認や本格販売に向けた改善を行い、2023年度の本販売を目指すとともに、新たな機能を順次開発、追加していきます。また、分娩・哺乳、育成、肥育といった、母豚の繁殖から仔豚の育成、出荷までの全ステージにおいて、飼育作業をトータルでサポートするシステムを2029年までに実現することを目指します。これにより、養豚生産における労働環境の改善や生産性の向上・安定化を図ることで、養豚・畜産業の活性化と社会・地域課題の解決を目指していきます。

取り組み背景

世界人口の増加に伴い、食肉全体の需要が増加傾向にある中、日本国内では豚肉消費の約半分を輸入に頼っており、国内における養豚生産は将来の豚肉安定供給にとって重要です。一方、畜産農家数は1980年以降、減少し続け、国内の養豚経営が中小規模から大規模へと移り変わり、一戸あたりの飼養頭数が増加する中で、熟練した技術と経験を持つ養豚従事者の高齢化や飼育技術の継承が問題となっています。また、家畜にとって快適な飼育環境の実現(飼育の最適化)をより一層推進し、労務負荷を軽減するとともに効率的な生産を行うことが求められています。

このような社会背景の中で、畜産業では他の農業と比べてもデジタル技術の活用が進んでおらず、家畜飼育生産業務の全般を支援するシステムの導入・活用によって、これらの課題解決につながると期待されています。

ニッポンハムグループとNTTデータグループは、2018年よりAI・IoTを活用した「スマート養豚プロジェクト」の一環として、養豚支援システム「PIG LABO」の共同開発を進めています。「PIG LABO」は、母豚の繁殖から仔豚の育成、出荷までの全ステージにおける飼育作業を、デジタル技術を活用してサポートするもので、今回テスト販売する「PIG LABO Breeding Master」は、このうちの母豚の繁殖を対象とした『発情検知機能』を提供するサービスです。

PIG LABO Breeding Masterの概要

「PIG LABO Breeding Master」は、母豚から仔豚、出荷までの全ステージにおける飼育作業をサポートする「PIG LABO」の中で、繁殖を対象とした『発情検知機能』を提供するサービスです。熟練の技術と経験を持った飼育員の発情判断ノウハウをAIで再現し、豚舎に設置したカメラから最適な発情確認を行います。

これにより、長時間にわたって必要だった人による豚の監視作業を大幅に削減し、最大79%の稼働削減効果が期待できます。また、作業者の熟練度にかかわらず、安定的に高い生産レベルを維持することが可能となります。 

本サービスは、専用のカメラを豚舎に設置することで利用可能となります。母豚一頭ごとの毎日の発情確率は、PCやタブレットなど、利用者指定の端末から確認することができます。
(詳細は別紙記載) 

 

■PIG LABO Breeding Master
https://www.rdc.nipponham.co.jp/piglabo/breeding_master.html

(PIG LABO Breeding Master 提供イメージ) 


【「PIG LABO Breeding Master」テスト販売概要】

テスト販売の目的 養豚農場における同システムの有効性の確認および改善点の抽出と運用ノウハウの蓄積
テスト期間 農場での稼働開始後、1年~1年半程度 *テスト期間終了後も継続使用可能
テスト販売に含まれる機能と名称 『発情検知機能』(本発売と同内容)
システム名称:PIG LABO® Breeding Master
販売者 日本ハム株式会社

各社の役割

  • 日本ハム:養豚における研究ノウハウを基盤として開発した「PIG LABO®」の運営・販売
  • NTTデータ:IoT機器の提供、動画・センサーデータの収集および収集したデータを取り込み豚の発情を学習・判定するAIモデルの構築、最新AI、IoT技術の提供
  • NTTデータSBC:現場環境に適したエッジデバイスの検討とネットワークインフラの設計、動画・センサーデータ収集システムの方式検討・開発

日本ハム株式会社

ニッポンハムグループは、2030年のありたい姿としてVision2030「たんぱく質を、もっと自由に。」を掲げ、その実現に向けた取り組みの一つとして「たんぱく質の安定調達・供給」の具現化に取り組んでいます。世界的な人口増加や気候変動などに伴い、たんぱく質の供給難が予測される中、当グループはたんぱく質の安定調達と供給を目指し、これまでの品質に対する安全・安心への取り組みに加え、サプライチェーンにおける環境や人権・動物福祉などの社会側面を配慮しつつ、多様なたんぱく質への取り組みを推進しています。

こうした取り組みの一つとして、「PIG LABO」は、豚、人、地球にやさしい、新しい畜産のカタチを創造することを目指しています。

■ニッポンハムグループマテリアリティ一覧
https://www.nipponham.co.jp/csr/nhgroup/materiality-list/

NTTデータグループ

NTTデータは、豊かで調和のとれた社会づくりを目指し、世界50カ国以上でITサービスを提供しています。デジタル技術を活用したビジネス変革や社会課題の解決に向けて、お客さまとともに未来を見つめ、コンサルティングからシステムづくり、システムの運用に至るまで、さまざまなサービスを提供します。

~NTTデータが描く食品業界の未来~

NTTデータは、業界・技術のForesight起点で未来を構想し、共創パートナーとしてお客さまの成長とビジネス変革を実現していきます。
食品業界においては、消費者の健康意識への高まりを背景にパーソナライズ化/デジタル化が進む、生活者接点領域を中心に国内のみならず世界の動向を調査することで食の未来を予見・創造し、「食×テクノロジー」で食品メーカーとともにデジタル化を推進していきます。
こうした取り組みの一つとして、「PIG LABO」は、Food Innovation領域での先進的なAI活用を通して豚、人、地球にやさしい、新しい畜産のカタチを創造することを目指しています。

■NTTデータの食品業界に向けた取り組み
https://www.nttdata.com/jp/ja/industries/food/

※本リリースは、東京商工会議所記者クラブ、大阪商工記者会、その他お付き合いのある記者の皆さまに同様の資料を配布しています。重複して配信されることがありますが、ご了承願います。


本件に関するお問い合わせ先

■報道関係のお問い合わせ先

日本ハム株式会社
広報IR部(大阪)
担当:森脇
TEL:06-7525-3031 FAX:06-7525-3032
MAIL:s.moriwaki@nipponham.co.jp
広報IR部(東京)
担当:日根
TEL:03-4555-8024 FAX:03-4555-8189
MAIL:m.hine@nipponham.co.jp

株式会社NTTデータ
広報部
担当:田中
TEL:080-1724-5429


株式会社NTTデータSBC
総務部 広報担当
TEL:06-6221-2088

■製品・サービスに関するお問い合わせ先

日本ハム株式会社 
中央研究所
担当:森下、助川
MAIL:piglabo@nipponham.co.jp

株式会社NTTデータ
製造ITイノベーション事業本部
第四製造事業部
担当:志田、本橋、大浜
TEL:050-5546-9018
MAIL:smarthog@kits.nttdata.co.jp